078: 最寄り駅に停まるのか
乗
務員室から男が姿を現した。車掌ではない。
見覚えがある。きみはその男を知っていた。玩具探偵だ。
彼はいつもどおりにきみに答えた。
「どこにも停まらない列車があったら面白いでしょ」
なにそれ?
「簡単すぎたら、僕が面白くないから」
玩具探偵が笑う。目が悪だくみに光っている。
ああ、いつもの調子だ。わかりましたよ。
きみは空いている座席に座って目を閉じた。
この謎を必ずクリアしてやる。
玩具探偵は黙ってきみをみつめていた。