039: 透明のエレベーター
エ
レベーターのボタンを押すと、すぐに扉が開いた。
きみは乗り込むと、最上階のボタンを押した。
小さな振動音が鳴ったかと思うと、エレベーターは凄い速度で上昇を始める。
透明なチューブの中を上っていくにつれ、景色がどんどん広がっていく。
最上階に着き、扉が開くと強い風を感じた。目の前には空しか見えない。
足元を見るとはるか下に海が大きく広がっている。
床がない。きみは慌てて扉を閉めるボタンを連打した。
エレベーターはゆっくり下降を始め、一階に戻った。
転がり出るようにきみはエレベーターから飛び出した。なんだこれは。
ここは何かがおかしい。
きみはホテルを出て山の方へ向かった。